金利変動と株価下落率シミュレーション

初めに

株式市場が乱降下する中、その背景には何があるのでしょうか。
株価は業績や景気など複合的な要因で動きますが、その土台となる重要な要素が「金利」です。
一般的に金利上昇は株価の重しとなります。理論上どれくらいのインパクトがあるのか、シミュレーションしてみましょう。

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株価の理論騰落率
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※PER(株価収益率)の逆数による理論上の変動幅です。

実例:2022年の大暴落

1. 金利急騰と株価のクラッシュ

2022年、米国ではインフレ抑制のために急速な利上げが行われ、長期金利は年初の約1.5%から年末には約4.0%近くまで急騰しました。
この数値をシミュレーターに入力すると、理論上は約-62.5%という強烈な下落が算出されます。

実際、この年は「金利上昇」に加え「景気後退懸念」なども重なり、特に人気のあったハイテク株や仮想通貨は理論値以上に激しく売られました。

2022年の主な下落率(高値→安値)
  • Meta (340→88): -74%
  • Bitcoin (6.1万→1.6万): -74%
  • Tesla (414→120): -71%
  • NVIDIA (34→11): -68%
  • S&P500 (4800→3500): -27%

ご覧の通り、ハイテク株は70%前後もの大暴落となりました。
一方で、市場平均であるS&P500の下落は-27%に留まっています。これは、金利上昇に強いセクター(エネルギー株など)が指数を下支えしたためです。

2. 理論的背景(割引現在価値)

株価の理論値を出すには「割引率(金利)」を使いますが、これはシンプルに言えば「インフレでお金の価値が年々下がる効果」のことです。

インフレする世界では、現在の1億円より将来の1億円の方が価値が低くなります。
毎年の純利益を1億円、金利を r、年数を n とすると、企業価値(時価総額 S)は以下のように「価値が目減りしていく利益の足し算(等比数列の和)」になります。

S = 1億 + 1億(1-r) + 1億(1-r)² + ... + 1億(1-r)ⁿ

▼ 等比数列の和の公式を適用
S = 1億 × { 1 - (1-r)ⁿ } ÷ r

ここで、企業が永続すると仮定して、年数 n無限大(∞)にします。
すると、(1-r) は1より小さいので、無限回掛けると限りなく 0 になります
その結果、式は驚くほどシンプルになります。

▼ 最終的な理論式
時価総額 = 純利益 ÷ 金利(r)

この式の分母に「金利」があることが重要です。
金利が少し上がるだけで分母が大きくなり、答えである株価(時価総額)がガクンと下がる仕組みになっているのです。

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