初めに
エンジンの「カルノーサイクル」は圧力($P$)と体積($V$)のグラフでループを描き、その面積が「仕事」になります。 実は鳥の羽ばたきも、これと非常によく似た揚力サイクルを持っています。
鳥は翼を打ち下ろすとき(打ち下ろし)に大きな揚力を得て、引き上げるとき(打ち上げ)は翼を畳んで空気抵抗を減らします。 これを「翼の角度」と「揚力」のグラフにすると、エンジンのPV図と同じようにループを描き、その面積が鳥が空気を蹴って得たエネルギー(仕事)になります。
鳥の羽ばたき(正面)
揚力サイクル図
あとがき
PVサイクルとの対応
エンジンでは $W = \oint P dV$ ですが、鳥の羽ばたきでは揚力 $F_L$ と翼の垂直位置 $y$ を用いて、
\[ W = \oint F_L \, dy \]となります。打ち下ろし($dy < 0$)で $F_L$ が大きく、打ち上げ($dy > 0$)で $F_L$ を小さくする(翼を折りたたむなど)ことで、一周すると正の仕事(上向きの正味の力×距離)が取り出せます。 これが鳥が重力に逆らって飛び続けられる理由です。