固有値方程式(対称行列2×2)の一般解

対称行列2次元の固有値と固有ベクトルの一般解

1.始めに

本記事では、対称行列2次元の固有値と固有ベクトルの一般解を示します。
この式に値を入力すれば、自動的に導けます。
固有ベクトルは長さ1に規格化しています。

なお、以下の記事に固有値のイメージがありますので宜しければご覧ください。


2.想定している行列の形

以下のような行列が与えられたときの一般解を示します。対称行列2次元です。
$$ \begin{pmatrix} a & c \\ c & b \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \lambda \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} $$

 

3.一般解の自動計算

一般解をjavascriptで実装しました。まずは行列を色々と変更した時の固有値、固有ベクトルを確認してみてください。また下にグラフも載せています。このグラフの意味は以下ブログに詳細を書いています。


行列の各要素


固有値、固有ベクトル、グラフ



3.一般解の場合分け1

\(a=b, 且つc=0\)の場合

これは円です。

固有値は常に\(a\)、固有ベクトルは決まりません(どの方向でもOK)


4.一般解の場合分け2

\(a\neq b, 且つc=0\)の場合
$$ 固有値:\lambda=a,b \hspace{10pt} 固有ベクトル:\vec{v} = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}, \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix} $$


5.一般解の場合分け3

\(a\neq b, 且つc\neq0\)の場合、

解は2パターンあります。ただどういう条件でどちらのパターンを使うのかを決めることは難しいです。そのため、実用上は2パターン両方計算して、\(x^2+y^2=1\)を満たす方を採用してください。

またここでは固有ベクトルのみ示しますので、固有値\(\lambda\)は以下の式に固有ベクトル(x, y)を代入して算出してください。

$$ ax^2 + by^2 + 2c x y = \lambda $$


事前準備として、以下を定義します。

$$ \begin{align} d &= \frac{b-a}{c} \\ x_{+} &= \sqrt{\frac{1+\sqrt{\frac{d^2}{d^2+1}}}{2}} \\ x_{-} &= \sqrt{\frac{1-\sqrt{\frac{d^2}{d^2+1}}}{2}} \\ cy_{+} &= d+\sqrt{d^2+1} \\ cy_{-} &= d-\sqrt{d^2+1} \end{align} $$


パターン1:

$$ 固有ベクトル:\vec{v} = \begin{pmatrix} x_{+} \\ (x_{+})* (cy_{+}) \end{pmatrix} , \begin{pmatrix} x_{-} \\ (x_{-})*(cy_{-}) \end{pmatrix} $$


パターン2:

$$ 固有ベクトル:\vec{v} = \begin{pmatrix} x_{+} \\ (x_{+})* (cy_{-}) \end{pmatrix} , \begin{pmatrix} x_{-} \\ (x_{-})*(cy_{+}) \end{pmatrix} $$


6.最後に

いかがでしたでしょうか。自動計算とグラフによって固有値のイメージ構築が結構できたのではないかと思います。お役に立てていただければ幸いです。
なおjavascriptはChatGPTをフル活用して作成しました。これがなければおそらく作れませんでした。ありがとうChatGPT!




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